気まぐれ日記

院長の雑談
 動物の病気の種類はほとんど人と変わらない、ただ犬や猫は人より代を重ねて現在に至った。人の場合、戦後しばらくは平均結婚年齢が23歳くらいだった。例えば25歳で出産をする、生まれた子供がやはり23で結婚してと考えると4回繰り返すと100年が過ぎたことになる。私は1947年生まれだが、その100年前はまだペリーが浦賀に来ていなかった。我が家にはガラスに写った大祖父の写真があり、我が母は加賀のお城の中で生まれた。さて犬も猫も1年も過ぎないで大人になり子供を生み出す。私たちが4代の時間で100年だとすると、犬や猫では100代の家系図をもって居ることになる。
 実はこの差が大きく動物に作用をする。つまりドイツではたった50年で軍用犬のシェパードやドーベルマンを作った。1900年初頭まで犬は犬でしか無かったのが種類が増えたのである。寿命で言えば、10年生きられない種類から20年近く生きられる犬も登場した。人が誕生して約300万年・あまりなかった血液型が、骨髄移植を見ても解るように兄弟では確率が高いがほとんど10万人に1人適合するほどに遺伝子は多様化と変化してきてしまったわけだ。
 ついでだが、私は骨髄バンクに登録をして日本で66番目のドナーになった経験がある。時効だから話せるが病院での手術前夜スモーカーの私は夜中に喫煙所でパコパコとたばこを吸っていたら、若い夫婦が入ってきて私の前に座って、いよいよ明日移植だね・・と話していた・・頭の中でああ・・この方達の子供に我が骨髄が入るんだ・・と納得をした。
 話を元に戻すと・遺伝子は1代ごとに変化をして行く。今多くの純粋種が飼われているが、人が心親近交配をさせて作り出した動物達だ。結局遺伝子に異常がない方が珍しい社会になった。

 私が獣医になった頃と比較すると疾病のタイプが変わり、遺伝病が増加し、骨折時の骨の癒合に妙な変化をする様になった。 

 つまり遺伝的と思われる病気と山ほど遭遇するようになった訳だ。同時に時代の変化を感じるし‥当たり前の部分でつまずく事が出てくる。つまずくといつも頭の中に患畜の事が張り付いて離れなくなる。獣医として時として動物病院を閉店したくもなるわけだ。

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